春に流れる歌と言えば卒業ソング。「卒業」をテーマにした名曲が、日本には数々あります。
そう、「卒業」をテーマにした歌はたくさん存在するのに、「入学」をテーマにした歌ってないですよね?ミュージシャンが歌う入学ソングって聞いたことありますか?
どうでもいいことなんですが、ちょっとばかり気になったので考えてみました。
卒業ソング、入学ソングどれだけあるの?
卒業ソングにしろ入学ソングにしろ、そう言ってしまえば限りなく出てきてしまうので、
タイトルにそれぞれ「卒業」という言葉、「入学」という言葉が入っている曲に限定し、それがどれだけ存在するのかを調べてみました。
<JOYSOUND 2024年3月時点での検索結果>
■タイトルに「卒業」を含む曲・・・199曲
■タイトルに「入学」を含む曲・・・2曲
一目瞭然ですね。
卒業ソング圧勝です。
JOYSOUND調べの入学ソング2曲の内訳は、
berryz工房の『桜→入学式』、茶封筒の『推薦入学』だったのですが、
『桜→入学式』には歌詞に「入学」という言葉は入っておらず、『推薦入学』の歌詞にも「推薦入学」という単語は出てくるものの、「入学」という言葉は出てきませんでした。
タイトルにも歌詞にもなりづらい。
これはどいういうことか。
そう、「入学」には、歌に不可欠な“情緒”がないんです。
ではなぜ「入学」には情緒がないんでしょうか。
その1.ドラマがない
「卒業」するまでには当然ある一定の時間がかかります。
中学、高校で言えばそれぞれ3年間ありますよね。
その間たくさんの経験をします。
楽しいこと。辛いこと。嬉しいこと。腹の立つこと。泣いたり笑ったり。
そして卒業を迎える時に思い出すんです。
ああもうこれで最後かあ。
そうです。卒業には思い出というドラマがあるんです。
一方、「入学」にはドラマがありません。
これから始まるのだから当然です。
ちょっと意地悪な言い方をすると、「ネタがない」んですね、「入学」って。
「入学」、情緒ないです。
その2.別れと旅立ちがない
そして、ドラマのエンドロールに流れるのが、「別れ」と「旅立ち」です。
「別れ」、「旅立ち」なんて情緒の塊です。
「入学」は、別れたあと、旅立ったあとの出来事です。
「卒業」に情緒を全部持ってかれてます。
骨抜き状態です。
「入学」、情緒ないです。
その3.かっこよさがない
「卒業」ってかっこいいんです。
ちょっと声に出して言ってみてください。
「俺、もう卒業したんだよね」
・・・かっこいい・・・。
「卒業」という言葉には、学校を卒業するという意味のほかに、
ある段階や時期を通り過ぎたという比喩的な意味も含んでます。
「俺、これから入学するんだよね」
なんて言われたら、まあ「どこの学校?」って聞きますよね。
「入学」には文字通り学校に入るという意味しか基本的にありません。
「入学」、情緒ないです。
検証.歌詞を置き換えてみよう
既存の曲の「卒業」という言葉を「入学」に置き換えて見ていきましょう。
■荒井由実『卒業写真』
♪卒業写真のあの人は やさしい目をしてる
↓
♪入学写真のあの人は やさしい目をしてる
なんか怖いです。説明欲しいです。
■尾崎豊『卒業』
♪この支配からの 卒業
↓
♪あの支配への 入学
なんかマヌケです。説明欲しいです。
■斉藤由貴『卒業』
♪ああ 卒業式で泣かないと 冷たい人と言われそう
↓
♪ああ 入学式で泣かないと 冷たい人と言われそう
うーん、誰にでしょうか。説明欲しいです。
「入学」、やっぱ情緒ないです。
ということで
「入学」には情緒がないから入学ソングがないということがよく分かりましたね。
「卒業」という響きには何かグッとくるものがありますよね。感情が揺さぶられます。
入学ソングにはそもそも需要がないということなのでしょうが、
意外とねらい目かも知れません。
どなたかグッとくる入学ソングに挑戦してみてはいかがでしょうか?!
少なくとも私はちょっと聴いてみたいです!
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