お笑い好きならウーマン・村本映画『アイアム・ア・コメディアン』は観るべし!映画レヴュー!

お笑い

ウーマンラッシュアワー・村本大輔に3年間密着したドキュメンタリー映画、
『アイアム・ア・コメディアン』。

私は、彼の行動には以前からとても関心があり、今回の情報を聞きつけ、映画館へ足を運びました。
完全な私の視点ですが、ざっくりとした感想を書いてみたいと思います。

お笑いって自由なはずだよなー

お笑いは自由だ。
こうでなければならないお笑いなんて存在しない。

村本が、政治的なネタを漫才でやり出したきっかけは、2017年に出演した「ABEMA Prime」だったそうです。映画の中ではそのことも語られています。

正直、日本では政治的なお笑いは受け入れられづらい。
「欧米ではコメディアンが政治的な発言で笑いを取るのは当たり前だ」的なことも言われるし、実際にそうなんだと思います。ただ、じゃあそのままそれを日本にトレースしてもやはり無理が生じる。
根本的に日本のお笑い文化と相性が悪いのでしょう。

私は、わざわざ政治的なものをお笑いに取り入れなくても全然かまわないと思うし、政治的なお笑いに取り組んでいるから偉いなどとも思いません。

ただ、それでも、お笑いは自由です。

好みはあるにせよ、「お笑いとはこういうものだ」なんていう定義はありません。
「お笑い」を「人生」に置き換えてみると分かりやすいかも知れません。

世間にどう言われようと「自分のやりたいお笑い」に邁進する村本の姿に少し勇気をもらいました。

色んな人と話すシーンがたくさんあったなー

村本が様々な人たちと話すシーンがたくさん出てきます。
鑑賞後になぜだかとても心に残りました。

社会的な問題(原発、人種差別など)に直面している当事者の方々との語らい、相方・マネージャー・スタッフとの仕事の話し、両親との思い出話、アメリカのコメディクラブの出演者・お客さんとのやり取り。

村本という人間は、「どう思っているか、どう考えているか」を相手へ伝えて相手からも受け取るという“会話”というものを非常に大切にしているのがよく分かります。
ひょっとしたら無意識レベルなのかもしれませんが、会話のシーンが印象に残るのは、村本の本質がそこにあるからなのではないかと私は感じました。

主張もするし主張も受け入れる。
それこそが村本を村本たらしめているものの気がします。

信じる心ってすげーなー

中学時代の友人によると、村本は、サッカー部でもないのに、「俺はサッカーでブラジルに行く」と豪語していたそうです。映画の中で、久々に再会した友人との会話の中で語られていました。

村本曰く、「なんの疑いもなかった」そうで、漫才師を目指した時も、アメリカへ向かう決意をした時も、まったく同じマインドだったのだと思います。

根拠のない自信は最強の燃料だなと、彼の話しを聞き、あらためて思いました。

字幕がジャマだったなー

これは映画の内容自体とは関係のないことなのですが、
ひとつ、ネガティブなことを書きます。

全編にわたり「英訳字幕」が付いていました。
一人でも多くの人に観てもらいたいという理由からだそうです。
村本が、アメリカでの活動に本腰を入れ始めたということも関係していると思います。

個人的な意見を言わせてもらえば、これがめちゃくちゃ邪魔でした。

誰かが喋る度に入る字幕がチラチラと目に入り、映し出される映像に集中できず、手で字幕を隠しながら鑑賞したりしていました。
この字幕がなければ、もっともっと映画を楽しめたのは間違いないです。

字幕なので、その人物がこれから喋ることもスクリーンに映し出されます。
もうそれだけでドキュメント感が薄れてしまう。
少しおおげさに言えば、字幕が付くことによって、これから何が起こって、どんなことを喋るのかが、あらかじめ想定されているように錯覚してしまうのです。

例えば、海外のドキュメンタリーに日本語の字幕が付く場合は、正直、仕方ないですし、そういうものとして鑑賞できるのですが、今回のようなパターンは、個人的にはNGでした。

私は瞬時に英語を日本語に変換することなんて出来ませんが、それでも気になって仕方がなかった。
これに関しては、人それぞれだと思いますし、私のような意見はおそらく少数だとは思うのですが、そこが残念なところでした。

字幕なければ、ドキュメント特有の臨場感がもっと伝わったと感じました。

まとめ

その他にも、相方である中川パラダイスは、実際どんな心境なんだろうなーと思ったり(相方は勝手にアメリカへ行ってひとりでお笑いやってますからね)、村本自身の家族に起こった悲しい出来事を、その翌日にはネタとして客前で披露してしまうのは、やはり芸人魂だなーと思ったり、コロナ禍での葛藤を知れたり、などなど見どころはたくさんありました。

テレビのひな壇でがんばるのも、YouTubeに活動の場を見出すのも、舞台の上でネタで勝負するのも、そしてアメリカでスタンダップコメディアンとして笑いを追求するのも、人を笑わせるのがお笑い芸人なのであれば、どれが正しいかなんてありません。
どれも正解です。

村本は、今、挑戦の真っただ中だと思います。
彼のこれからが楽しみになる、彼を応援したくなる、そんな映画でした。
お笑い好きは観るべし!

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