ミセス『コロンブス』は何が問題?炎上理由は?MVに隠されたメッセージ!

音楽

「Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)」の新曲『コロンブス』のMV(ミュージックビデオ)が、2024年6月12日の公開直後から多くの批判が集まり、翌日13日に公開を中止しました。

同日、Mrs. GREEN APPLEが所属するユニバーサルミュージック合同会社は、この動画に「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」として謝罪しています。

SNSを中心に炎上したこのMVにどんな問題があったのでしょう。
そしてその批判は正しいのか?制作側のMVに込められた本当の意図とは?

簡潔にまとめます。

何が問題と指摘された?

『コロンブス』と題された曲のMVの中で、それぞれコロンブス、ベートーベン、ナポレオンに扮したMrs. GREEN APPLEメンバーが、孤島で出会った類人猿に対し、音楽や馬の乗り方を教えたり、人力車を引かせるシーンなどが全編に渡って登場します。

そして、MVへの批判とは分かりやすく言うとこういうことになります。

「コロンブス=先住民の土地や生活を奪い虐殺や奴隷にしたりした侵略者。
このMVに登場する類人猿は先住民のことであり、コロンブスのした歴史的事実を正当化した内容になっている。なんということだ!!」


このように、識者を中心とした人たちが、MVとその内容に反応し、大炎上となりました。

違う側面からのMVの内容への見解

あくまで一例ですが、MVの内容について、下記のような見方もあります。

私の個人的な意見ですが、この投稿の指摘のとおり、問題となったMVは、映画『2001年宇宙の旅』や『猿の惑星』をオマージュにしているのは恐らく間違いないと思われます。

ざっくり言うと、「文化と知恵を持った人間が偉そうにしているが、実は下等に見ていた類人猿の方が先を行く人類の姿だった」みたいな皮肉ですね。
わざわざ解説しなくても、上記の映画を知っていれば簡単に分かる内容です。
大ヒットした有名な映画ですので、製作側もそんなに難解なものを作った意識はなかったのではないでしょうか。

ただ、ここで「コロンブス」を出してしまったことで、今回のような騒動になってしまったのだと思います。

コロンブスの現在の評価

“コロンブスと言えばアメリカ大陸を発見した偉人”
と言うのはかなり一方的な見方です。
先住民が既に居たのですから当然ですよね。これは誰でも想像がつきます。

それを踏まえても尚、偉人として扱われてきた事実もあります。
アメリカでは紙幣にもなっているくらいです。

ただ、このある意味グレーゾーンだった侵略者という顔の部分が、
現在の歴史的認識では完全にNGになってきているようです。

WiKipediaをちょっと覗いてみるだけでもそのことが分かります。
「コロンブスを英雄視するのはヒトラーを英雄視するようなもの」という指摘もあるようで、
それもある部分では頷けます。

・・・・なのですが・・・・

その批判は正しく向けられたものなのか?

皆さんはコロンブスに対してそんな印象を持っていたでしょうか?
私は、正直申し上げて、現在において、ここまで悪人と捉えられているという認識はありませんでした。
これが一般常識なのであれば、最早MVの内容がどうのではなく、「コロンブス」というタイトルの時点でアウトでしょう。

しかしそうはならなかった。「コロンブス」というタイトルはOKだった。
全く違った内容のMVだったら、今回批判を向けている人たちも完全スルーだったと思います。
タイトルが「コロンブス」だったとしても。

この辺のことが、今回の騒動をややこしくさせてしまっているように私は思います。

過去の映画を踏襲した、現代文化や人類に対する皮肉をMVで表現しようとした時に、別に登場人物は「コロンブス」でなくても構いません。

あまり触れられてはいませんが、この『コロンブス』という曲の歌詞も、「コロンブス」を称えるような内容ではありません。

歌詞の中の「コロンブス」という単語も、どちらかと言えば記号的な使われ方をしており、人物の背景までには至ってないように見受けられます。
(そのように無邪気に「コロンブス」という人物の名前を使用してしまったことに対しても批判は向けられてはいますが)

今回の「歴史的に無知だ」という批判というのは、例えれば、ボウリングの玉が、ガーターに入ったまま、ものすごい勢いでピンを倒していっている(=批判)ような、少し的外れなイメージが私にはあります。

まとめ

と、色々書き連ねましたが、当事者でなければ分からない部分も当然あるので、あくまで推測と個人の見解です。

ただ例のごとく、この騒動以降、SNS上には、メンバーの容姿に対する悪口や、ある歌番組に出演した時に見たという態度の悪さについてなど、今回の件と全く関係のない便乗批判が氾濫しています。
「・・・また始まったよ」って感じですよね、まったく。

ちなみに私はミセス・グリーン・アップルについては、「最近人気のある若手バンド」くらいの認識しかありませんでした。

時代背景もあるとは言え、コロンブスのした数々の悪行(と敢えて書きます)も知らないことがたくさんありました。これは自分でも恥ずべきことだったと思っています。

この騒動をきっかけに、「ミセス・グリーン・アップル」と「クリストファー・コロンブス」について詳しく知れたということは、個人的には良い機会でした。

本当に大切なことは何なのか?
これからもよく考えていきたいと思います。

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