秘書給与事件で服役した経験を持つ元議員・山本ジョージ(山本譲司)氏が、
れいわ新選組からの出馬をしました。
福祉活動家としての経験と、贖罪の思いを胸に再び政治の場へ。
“やり直せる社会”への挑戦を追います。
山本ジョージ(山本譲司) プロフィール

■名前:山本譲司(やまもと じょうじ)
■生年月日:1962年9月20日
■出身地:北海道
■出身大学:早稲田大学教育学部
■所属政党:無所属→旧民主党→民主党→無所属→れいわ新選組
1989年~1996年まで東京都議会議員(立川市選挙区)、
1996年~2000年まで衆議院議員(東京21区)を務めました。
秘書給与事件からの転落と再生
2000年、衆議院議員だった山本氏は、
秘書給与の流用という政治スキャンダルにより、実刑判決を受けて服役しました。
当時は若手議員として注目されていた矢先のことでした。
メディアは連日「政治とカネ」の象徴として彼を取り上げ、政界から完全に姿を消すこととなります。
刑務所での“気づき”と「累犯障害者」出版
山本氏は、刑務所内で知的障害や精神疾患を抱えた受刑者たちと出会い、
彼らが犯罪に至った背景に、福祉の不在や社会の無理解があることに気づきます。
出所後、その体験をもとに執筆したノンフィクション『累犯障害者』
(2006年、新潮社 / 2009年、新潮文庫)は大きな話題を呼び、
福祉や司法の現場での問題提起として高く評価されました。
以降、彼は福祉活動家としての道を歩み、
「罪を犯したことのある自分だからこそ、見える現実がある」と語ってきました。
2025年、れいわ新選組から出馬を表明
2025年6月、山本譲司氏はついにれいわ新選組から出馬することを正式に表明します。
記者会見では、次のように語りました。
「人生には軌道修正という考え方があると思っています。私自身、それを経験しました」
日刊スポーツより
「一度落ちた者が立ち上がることで、社会に対して“まだやり直せる”という希望のようなものを見せたい」
れいわ新選組の山本太郎代表も、同席の上で山本氏の再挑戦を歓迎。
福祉や刑務所、支援現場に詳しい人材として、
「声なき声」を国会に届ける存在になることに期待を示しました。
れいわ新選組との親和性
山本氏の出馬は、れいわ新選組が掲げる理念とぴったり重なります。
れいわは設立当初から、ALS患者や重度障害者など「これまで政治から取り残されてきた人々」
を議会に送り込むことを実践してきました。
山本氏もまた、社会の周縁で苦しむ人々を見てきた当事者であり、
活動家としての実績も持つ人物です。
「過ちを犯した人間でも、正直に生き直すことで社会を変えることができる」
──彼の姿勢は、まさにれいわが大切にしている“再生”と“包摂”の価値観そのものです。
再出馬に対する世間の声
SNSやネット上では、山本氏の出馬に対し賛否が分かれています。
「犯罪歴のある人間を国会に戻すのか?」という懐疑的な声
「過去と正面から向き合い、福祉の最前線で20年活動してきた人にしか語れない言葉がある」
という肯定的な声
確かに彼は“元犯罪者”という肩書きを背負っています。
しかし、それを恥じることなく表に出し、長年地道に福祉の現場で活動してきた姿勢は、
同じように“やり直したい”と願う多くの人々にとって、希望の光にもなりうるでしょう。
まとめ
山本氏の政治復帰は、「再犯者を減らす社会」をつくるための第一歩かもしれません。
政治と福祉は本来切っても切り離せないもの。
もし山本氏が国会に戻ることになれば、それは過去の償いを越えた、
新しい政治のあり方を体現するものとなるのではないでしょうか。
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