2023年12月、兵庫県高砂市の中学校の校長がコンビニのコーヒーを購入したサイズより多く注ぐ不正を働いたとして懲戒免職となりました。
6月から12月にかけて同様の行為を7回繰り返していたというこの校長は、「ラージサイズの分量を注いだところ、こぼれずにおさまった。安い値段で多く飲めると注いでしまった」と犯行の理由を語ったということです。
昨今、どのスーパーや飲食店などでも「セルフレジ」の設置が増えてきています。
そこで気になるのが意図的でない「レジの通し忘れ」。
これって犯罪になってしまうんでしょうか?
その疑問にお答えします!
意図的な「レジの通し忘れ」
すみません。いきなり変な日本語ですが、意図的な「レジの通し忘れ」は当然犯罪です。
万引きと同じ窃盗です。言うまでもありませんね。
ただ、万引きと違うのが、「レジを通したと思っていた」と言い訳ができてしまうところです。
万引きの場合、「会計をすませたつもりだった」という言い訳は、まあ通用しないでしょう。
それでは通し忘れが意図的でなかった場合、どうなってしまうのでしょうか?
意図的でない「レジの通し忘れ」
レジを通し忘れて自宅へ持ち帰ってしまった場合、
①故意処罰の原則で処罰はされない(刑法38条1項)
②占有離脱物横領(刑法254条)に問われる可能性あり
以上2点に集約されます。
①は持ち帰ったことに気づき、それをお店へ伝えた場合の話しです。
持ち帰った後、自分の所有にしてしまった場合は、意図的なものでなくても、②の占有離脱物横領に問われます。
セルフレジの問題点
これだけセルフレジが浸透し始めているということは、当然メリットがあるからなわけなので、
ここでは敢えて問題点について考えてみます。
もうこれは言わずもがなですが、万引きが増えます。
しかもかなり容易に出来てしまいます。
どんな万全な対策を取っていようと、最終的にはモラルだけで片付けるしかなくなります。
ややこしいのが、利用者が買ったつもりで商品を持ち帰ってしまった場合です。
本人に自覚がなく、店側も気づいていないのであれば、完全犯罪が成立してしまします。
いままでよりも万引き(自覚がないものも含めて)は圧倒的に増えてしまうのではないでしょうか。
利用者は、自宅で通し忘れに気づいた際は、直ちにお店へ連絡をしなければなりませんね。
前述のとおり、意図的なものでなければ、犯罪にはなりません。
まとめ
コンビニのコーヒーにしろ、スーパーのレジにしろ、ある程度人間のモラルや良心に任せている部分があります。
コロナ禍以降増えた、テレワークなんかもそうですよね。これもサボろうと思えばいくらでもサボれます。
今や「個」の時代です。
日本では人口減少に伴い、更に「個」の時代が進んで行くでしょう。
個人の強みを問われると同時に、このようなモラルや人間性もより問われる時代になっていくのではないでしょうか。
ということで、レジを通し忘れたら正直にお店に連絡!
これからの新しいルールです!
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