漫画家・芦原妃名子さんブログ内容と経緯、同業者・脚本家からのコメントまとめ

社会

漫画家・芦原妃名子さんが、自らの手でこの世を去りました。

2024年1月29日にこのニュースが流れてから、連日、様々な立場の方が、それぞれの見解を語っています。

事件の経緯、死の理由、この事件に対する漫画家、脚本家の声をまとめます。

X、ブログへの投稿

まずは死の直前の芦原さんのXの投稿です。
同じ内容のものをブログにも上げています。※現在は削除

トラブルの経緯、自死の理由

ドラマ化に当たっての条件として、

①原作に忠実に
②原作の漫画は連載中でまだ未完の為、ドラマ終盤は原作者(芦原さん)があらすじ、セリフを作る


という取り決めが、芦原さん側(小学館)とドラマを放送する日テレとの間であったそうです。

ところが、都度上がってくる脚本は、その取り決めが反映されておらず、芦原さんの方で何度も加筆・修正するという作業を繰り返すことになりました。

上記に引用した投稿では、より具体的な内容が綴られています。

このような経緯があり、芦原さんに猜疑心や疲労が蓄積されていきます。
はっきりとした事は言えませんが、このことが芦原さんを苦しめ、自ら死を選ばせたと思われます。

漫画家からのコメント

芦原さんと同様に、
自身の原作がドラマ・映画作品になった漫画家さんたちからもコメントが寄せられています。

■漫画家:二ノ宮知子(『のだめカンタービレ』)
「辛すぎる。自分の作品を一番大事に思っているのは自分なんだと号泣した日の事を思い出して、また涙が止まらない」

■漫画家:海野つなみ(『逃げるは恥だが役に立つ』)
「芦原先生、うそでしょう、こんな…」  

■漫画家:ひうらさとる(『ホタルノヒカリ』)
「…信じられない…。なんてこと…」「やり切れなさ過ぎる…。こんな世の中おかしくないですか?」

■漫画家:松田奈緒子(『重版出来!』)
「言葉がない。つらすぎる」

■漫画家:佐藤秀峰(『海猿』)
「芦原さんについて『繊細な人だったんだろうな』という感想をいくつか見かけました。多分、普通の人だったんじゃないかと想像します。普通の人が傷つくように傷つき、悩んだのだと思います」

脚本家からのコメント

■脚本家:三谷幸喜
「原作者、プロデューサー、脚本家がきちんと心を一つにして作っていかないと、きっといろんな問題が起こるんだなというふうに思います。 なんで僕の作ったものを勝手イジってしまうんだと思ったことも何度もあるし、死にたいと思ったことって実はあるんですよね。でも、その時僕はやっぱり踏みとどまったんですよ。なんで、踏みとどまったかっていうと、やっぱり僕は書いたものに対して責任があるし、もしかしたらこれから書くものに対しても責任があるし、今書いているものにも責任があるし。たぶん、この先自分が作ったものを楽しんでもらう人たちがいるとするならば、やっぱりその人たちに変な感情で読んでもらいたくないし、見てもらいたくないっていうのはあるから、やっぱり僕は、ここは踏みとどまらなきゃいけないなっていう風に思うんですよね…。踏みとどまってほしかったですね」

■脚本家:野木亜紀子(『逃げるは恥だが役に立つ』)
「誠実であろうとしたために亡くなられた芦原先生のためにも、原作読者・ドラマ視聴者に対しても、これで終われるはずがないし、大きなショックを受けているであろうドラマ出演者や関わった人たちに対しても、日テレには誠実であってほしいです。起きてしまったことに対しての姿勢が問われています」

脚本家:相沢友子さんのコメント

最後に、今回の芦原さん原作の『セクシー田中さん』の脚本を担当した、
相沢友子さんのコメントです。

「このたびは芦原妃名子先生の訃報を聞き、大きな衝撃を受け、未だ深い悲しみに暮れています。心よりお悔やみ申し上げます。
芦原先生がブログに書かれていた経緯は、私にとっては初めて聞くことばかりで、それを読んで言葉を失いました。いったい何が事実なのか、何を信じればいいのか、どうしたらいいのか、動揺しているうちに数日が過ぎ、訃報を受けた時には頭が真っ白になりました。そして今もなお混乱の中にいます。  SNSで発信してしまったことについては、もっと慎重になるべきだったと深く後悔、反省しています。もし私が本当のことを知っていたら、という思いがずっと頭から離れません。あまりにも悲しいです。事実が分からない中、今私が言えるのはこれだけですが、今後このようなことが繰り返されないよう、切に願います。  
今回もこの場への投稿となることを、どうかご容赦ください。 
お悔やみの言葉が遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。芦原妃名子先生のご冥福をお祈りいたします。」 

まとめ

芦原さんの訃報が流れてから随分と時間が経ちましたが、今だ連日に渡りこの問題が取り上げられ、各方面で議論がされています。

原作者(芦原妃名子さん)対脚本家(相沢友子さん)という単純な話しではなく、それ以外にも、
出版社(小学館)、テレビ局プロデューサー(日テレ)、ドラマ製作スタッフ(監督含む)などの人たちが大きく関わっています。

それぞれの立場や思惑があってのことで、一概に誰が悪いと決めつけることは中々容易ではなさそうです。

一人の命が失われたということで、今後も議論が繰り広げられていくと思います。
それにより、浮き彫りになった問題が解決に向かうよう、少しずつでも前に進んでいってほしいものです。


今回のこのニュースで、個人的に思ったことは、トラブルそのものよりも、三谷さんの仰るように、「踏みとどまることはできなかったのか」ということです。

芦原さんが亡くなったことで、たくさんの人が傷つき、悲しみ、攻撃を受けている人もいます。
この事件のやるせない感情が人に向かわないことを願うばかりです。


素晴らしい作品を残してくれた芦原妃名子さんありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。

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